レッテル貼り思考になっていませんか?

グロービス経営大学院

ビジネスにおいてよく使われるパターン認識。企業も業界も数えきれないくらい存在するため、ある断面を切り取ってどのパターンに該当するか考えることは、ビジネスの本質を理解するための時間を大幅にショートカットしてくれます。しかしその対象がビジネスではなく「人」になると、どうなるでしょうか?

2017.04.18 更新

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レッテルははがしにくく、思考停止を引き起こす

ある企業の人材配置・異動の意思決定の現場に携わったときのこと。部長がおもむろにマトリクス図を描いて部下たちをその図の中に配置し、妙にすっきりとした顔をして言いました。
「この象限にいる奴らは泥臭い仕事ができてリーダーシップがある。チームに1人は配置しよう」。

この部長のように、人の傾向をカテゴリー分けして整理し、認識することは、短時間で人を判断しなくてはならない時には役立ちます。
しかし、カテゴリー分けは所詮「過去の」「一部分の」情報から解釈されたものに過ぎません。

それにもかかわらず、一度認識したこの分類結果は、別の言い方をすればレッテルとも呼べる厄介なもので、なかなかはがすことができないのです。その分類結果に当てはまらない行動をしても、一度認識されたレッテルに関係する情報しか拾われない。無意識のうちにそのレッテルを強化するバイアスが働いてしまうのです。

その上、人に対する興味・好奇心も失わせてしまいます。「泥臭い仕事ができずリーダーシップがない」というレッテルを貼ってしまうと、その人に対する考察はそこで終了してしまうのです。

他人のことをわかったつもりにならない

では、どうすればよいのか――。
自分に置き換えて考えてみましょう。他人から見えている自分は極めて断片的であり、本来はもっと奥深く複雑なはずです。
「誰も自分のことを分かってくれない」という嘆きと同じく、「自分も他人のことを分かっていない」のです。その前提に立ち、極力レッテルを貼ることを避け、興味関心を持ち続けること。人をカテゴリー分けしなくてはならない局面では、その危険性を意識し、すっきりとはしないよう心がけたいものです。

 

(グロービス経営大学院 教員 荒木博行)

2017.04.18 更新

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